実験君のブログ

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政治学入門

入門書が要求されているということで、本書ができたのであるが、しかし「政治学入門」とはそもそもどう理解されたらよいものであろうか。それは政治学の方法論を説き、政治学の諸文献を解説したようなものなのであろうか。それとも対立しているいろいろの学説を並べ、著者の主張はなるべく出さないように書いたもののことであろうか。それともまた政治学の全領域を簡単に平易に圧縮したもののことであろうか。  これらのいろいろの解釈が可能であると思われるが、著者は本書ではそれを、政治現象の基本的な諸問題に一通りの究明を試み、より詳くわしい研究への示唆しさを与えるものと解釈した。その結果既に著者が『政治学』(勁草書房)で取扱っている基本的な部分を、多少順序を変えたり、加除したり、わかり易やすくして、繰返すような形にならざるを得なかったのである。より詳細な論述や文献については、右の書物について見て頂きたい。  いずれにしても入門書の最大の使命は、その学問への興味をそそることであろう。従って本書が政治学への興味を、一般の人々に抱かせることに失敗していたら、入門書としての価値はない。著者の恐れるのはそのことである。